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★Q&A   =生コン・セメント編=
?41.  建物の耐震性能
回答 → 台風のあと、風で倒された大きな木や、板塀などを見たことがあると思います。
しかし、土砂崩れでもない限り、台風のあとに墓石などが倒れているのを目にしたことは、あまりないでしょう。
ところが、地震のあととなると、逆に墓石などが倒れているのは見かけても木や板塀が倒れているのを見たことは、あまり無いと思います。

これは、風から受ける力の強さはそのものの重さではなく、風を受ける面の面積の大きさにより、影響を受けるからです。

従って、大きな木は、面積が広い為、大きな力を受け、折れたり、倒れたりすることがあるわけです。
それに対し、墓石などは、風を受ける面もあまり大きくなく、しかも重いですから、ちょっとやそっとの力では倒れません。

ところが、地震は、地盤の揺れで、根元から揺すられます。
横に揺れた場合、もとの場所にいようという逆向きの力がかかりますが、その慣性の力は、そのものが重いほど大きくなります。
つまり、地震による力は、そのものの大きさではなく重さによって違うわけです。
墓石や石灯籠は、重いからこそ、地震によって倒れやすく、板塀は、軽いために倒れにくいというわけです。

次に建物で考えてみましょう。
大きさと形が完全に同じである、木造、鉄骨造、コンクリート造の三つの建物が並んでいたとします。
もちろん、風による力はまったく同じです。
しかし、一般にコンクリート造の建物がいちばん重いですから、地震がくれば、コンクリート造の建物に最大の力がかかります。
つまり、地震に対しては、重いコンクリート造の建物は、やや不利であるということになります。

それでは、建物の高さと地震との関係はどうでしょうか。
同じ構造形式の建物であれば、高層化すれば、それだけ建物の重量が増えるので、ますます地震に対しては不利になりそうです。
しかし、1985年に起きたメキシコ地震では、十数階建の建物に被害が集中し、それより低い建物も、もっと高層の建物も、被害はずっと少なかったそうです。
これは、地震によって建物に加わる力は、建物の重量だけでなく、地盤との共振があるかどうかによってもその大きさが違ってくるからなのです。

1923年の関東大地震では、多くの石造が被害を受けたのに比べると、鉄筋コンクリート造の建物の被害は小さく、鉄筋コンクリート構造の耐震構造としての活躍の可能性が示されました。
これを契機として、鉄筋コンクリート構造の耐震性能の向上のための研究が、本格的に開始され、現在にいたっているわけです。
 
?42.  吹付けコンクリート
回答 → コンクリートの構造物施工過程において、「型枠」は必要不可欠です。
 まず型枠を構造物の形に組み、そこに生コンを流し込み、固まった後に型枠を外すと出来上がります。と、すれば「崖」や「トンネル」の施工にも型枠は使用しているのでしょうか?

 崖の凹凸が表面に出ているようなコンクリートは型枠を用いらないで作られます。
つまり『吹付けによって打たれるコンクリート』なのです。
この工法は崖、切通しの斜面などに用いられますが、トンネルの内面は型枠の設置がとても難しく特にトンネルに多用されます。
掘り起こしたトネル内部は当然凹凸があります。岩盤に沿うような曲面の型枠を組み立て、その型枠と凹凸の間の隅々にまでコンクリートがよく行き渡るように打ち込まなければなりません。
このような特殊な作業用に鋼鉄製の移動式型枠に打ち込む工法も有ります。
これら困難な場所に対処するためコンクリートを高速で吹き飛ばし、岩盤に付着させ固めます。
 原理はスプレーと同じで圧縮空気によりノズルからコンクリートを吹き飛ばします。
普通のコンクリートと比べ粗骨材の粒径が小さく、最骨材量に対する粗骨材の比率も小さくなります。また急結剤(混和剤)も使用されます。

 今日では、吹付けコンクリート用にロボット・ティーチングプレイバック形ロボットと言い吹付け作業もロボット化しております。
 
?43.  コンクリートの美しさ
回答 → 打ち放しコンクリートとは、表面を仕上剤で覆わない、コンクリートの表面をむき出しにした仕上げです。
 もともとは土木構造物の仕上げとして多用されていたこの仕上げは、徐々に建物の外壁などに意図的に用いられるようになりました。
そして建築芸術とまでいわれるほど、新しい表現方法で美しい建物が作られました。
しかし、この方法の大きな弱点は、汚れがつきやすいということです。
この汚れの原因としては、カビや鉄錆びなどが上げられます。
いずれにしても水分(雨)が大きく関わっています。
したがって、建設する際に雨がかかりにくい設計にすればよいことになります。
すでに汚れてしまった既存の構造物に対しては、酸などで洗い流したり、サンドペーパー 等で除去するリフレッシュ作業があります。
安全の確保と丁寧さが必要とされるこの作業は、かなりの時間がかかります。
工夫次第では、好ましさが感じられるように、時間とともに変化した「味」のようなものが感じられる建物というのも魅力的です。
 
?44.  コンクリート構造物の健康診断?!
回答 → 健康状態の変化を逃さないように、人間の肉眼による日常点検(目視点検)が常に行なわれています。そして、目視点検で異常が発見されたら、詳細点検が行なわれることになります。
 詳細点検には、実際にコンクリートの一部を切り取り強度試験を行なったり、内部の状態を調査するなどの方法もありますが、コンクリート構造物を壊すことなく、種々の器具によって構造物の状態を把握しようという非破壊検査法があります。
 コンクリートの非破壊検査法の中で最もよく用いられるのが、テストハンマー(例えると聴診器みたいなものです。)を用いて反発硬度を調べる反発硬度法と、超音波による方法です。
 反発硬度法は、一般に硬いものは強い(強度が大きい)という考えにたった方法で、コンクリートの表面にテストハンマーを打ち付け、その跳ね返り方を測定して硬度を知り、コンクリートの強度を推定します。
 超音波法は、コンクリートに超音波パルスを与え、内部に伝わるパルスの伝播速度や伝播の仕方から、コンクリートの強度やひび割れの深さ、内部の欠陥などを推定する方法です。つまり、コンクリートにアルカリ骨材反応など種々の原因によるひび割れや内部欠陥があると、その場所で超音波の伝播速度が遅くなったり、周波数の高い部分と低い部分とで、伝わり方に違いが出てきたりすることを利用したものです。その他にも安全のために様々な研究が現在も進められています。
 
?45.  コンクリートの内部構造
回答 → コンクリートで、茶碗を作り、水が漏ってこないか実験すると、ひび割れが出来ていない状況ではコンクリートは水を漏らさないという結果が出たそうです。

それでは、ひび割れさえなければ、コンクリートは本当に水を漏らさないのでしょうか。

近年、コンクリート構造物が、設計時に予想されたより早く劣化してしまう現象が報告され、大きな問題になりました。
この早期劣化の原因は、塩害や中性化、アルカリ骨材反応などであることが明らかになっています。
これらはすべて、何らかの物質がコンクリートの中へ侵入することによって引き起こされます。
侵入する物質は、塩害では酸素と水分、中性化では二酸化炭素と酸素、アルカリ骨材反応では水分です。
つまり、これらは、ひび割れなどなくても、コンクリート内部を通る事が出来るわけです。

コンクリートの内部構造といっても、さまざまなレベルのとらえ方があります。
マクロ的な視点からみれば、コンクリートは一般に均質は材料と考えられています。
しかし、ミクロなとらえ方をすれば、粗骨材、細骨材、セメント、水などから構成されており、均質とはいえません。
このような視点からすれば、無数の小さな穴をもっているといえるのです。

コンクリート内の小さな空隙が、それぞれ全く独立して存在しているのであれば、気体も液体も、空隙から空隙へとあまり移動できませんから、コンクリート内を通ることは殆どできませんが、どうしても隣同士が繋がっている空隙ができてしまうからです。
コンクリートの配合や養生の仕方によっては、これらの穴の多くが連続的に生じてしまう場合があります。
そうなると、気体や液体の格好の通り道となってしまい、それらは簡単にコンクリート内に侵入してしまいます。
ですから塩害や中性化、アルカリ骨材反応などによる早期劣化を防ぐ為には、水セメント比を出来るだけ小さくする事が重要なのです。

しかし、それらの空隙やひび割れが水で満たされれば、種々の物質の透過性にも大きな違いが出てきます。
鉄筋腐食の原因となる酸素の透過性についてみれば、空隙やひび割れが水で満たされている場合のほうが、はるかに小さくなります。
水で満たされていない、つまり空隙などの内部が空気で満たされている場合には、水で満たされている場合の約一万倍もの酸素透過性があるのです。
常時、海水中にあるコンクリート構造物は、海水には塩分が含まれていますから、鉄筋腐食が進みやすいと考えがちですが、実際には、空隙などが海水で満たされており、鉄筋には酸素が直接作用しないため、腐食はほとんど進まないのです。

だとすれば、水よりもっと確実な材料で、空隙などを埋める事が出来れば、種々の物質の透過性は極端に小さくなるはずです。そのような考えから、コンクリートの物質透過性を小さくするための、さまざまな工夫がなされています。
 
?46.  細・粗骨材の定め方
回答 → コンクリートは、セメント、骨材、水および混和剤等の材料から構成されており、その性質は、材料の品質の他に、材料の混合割合(これを配合または調合という)の影響を強く受けます。

 単位水量・単位セメント量が計算されると、コンクリートの所要の性質から空気量が定められるので、1m3のコンクリートを製造するために用いる材料の残りが骨材量となります。
 この骨材量を、細骨材率(s/a)によって配分して、細(砂)・粗骨材(砂利および砕石)を定めるが、粗骨材は細骨材に比べ粒が大きいので、骨材間の空隙が増加します。

 細骨材は、粒度および粒径が安定しているが、粗骨材は、上記に示す通り空隙率が大きい為、実績率(%)を求めます。
実績率は、容器に満たした場合に、容器中に占める骨材の絶対容積(体積)の割合を表すもので、次式で求めます。
    
実績率(%)=単位容積質量/絶乾密度*100(一般に40〜70%)

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